カラー調整とは?
カラー調整は、テクスチャ画像に特定の色を反映して使いたい場合に便利な機能です。
例えば、プリセットとして用意されている瞳の模様はそのまま、瞳の色だけを変えることが出来ます。
この記事では、カラー調整の仕組み・各アイテムに使ったときの変化について紹介します。
目次
カラー調整の基本的な使い方
カラー調整が可能なアイテムを選択すると、右パネルに「カラー」の項目が表示されます。色のついた丸部分をクリック(iPadの場合はタップ)して、カラーピッカーから色を選ぶと、アイテムに色味が反映されます。
カラー調整は、テクスチャ編集画面でも使えます。
「カラー変更可能アイテムとして編集」チェックボックスをONにして、テクスチャ編集を開始します。
テクスチャ編集画面の「カラー調整を使う」チェックボックスがONの状態で、カラーを選択すると、UV画面に表示されたテクスチャに対して色味を反映した結果が、ワールド画面に表示されます。元のテクスチャに対してブラシでペイントした部分にも、色味が反映されます。
また、ここで作ったアイテムを「カスタムアイテムとして保存」すると、カラー調整機能で色変更ができるカスタムアイテムになります。
顔・アクセサリーのカラー調整
以下のアイテムは、プリセットアイテムやカスタムアイテムを選択して、カラー調整が行えます。
- 顔
- 瞳
- 瞳のハイライト
- 白目
- まゆげ
- アイライン
- まつげ
- 口
- 口紅
- チーク
- アクセサリー
- メガネ(厚みあり)
- メガネ(厚みなし)
- ネコミミ
- ウサミミ
以下のアイテムは、テクスチャ編集画面でのみ、カラー調整が行えます。
- 顔
- 口内
- フェイスペイント
顔パーツ・アクセサリーのカラー調整機能で指定した色は、VRMエクスポートを行う際に、モデルのテクスチャに描き込まれます。
肌アイテムのカラー調整
以下のアイテムは、カラー・ダークカラー・ライトカラーの3色を指定して、カラー調整が行えます。
顔
- まぶた
- 鼻
- 肌
体型
- 肌
肌アイテムのカラー調整は、全体的に反映したい色を「カラー」に指定し、相対的に暗い所に反映したい色を「ダークカラー」、明るい所に反映したい色を「ライトカラー」に指定して使います。
肌アイテムの色は連動するようになっていて、いずれか1つにカラー・ダークカラー・ライトカラーを指定すると、同じ色が他の肌アイテムにも反映されます。
もし連動しない状態で色を指定したい場合には、一度アイテムのテクスチャ編集画面へ移動して、カラーを設定し、カスタムアイテムとして保存することで、連動の対象外となります。
肌アイテムのカラー調整機能で指定した色は、VRMエクスポートを行う際に、モデルのテクスチャに描き込まれます。
髪のマテリアルのカラー調整
髪のマテリアルのカラー調整は、ベーステクスチャ・ハイライトテクスチャ・アウトラインに、それぞれ指定した色を反映する機能です。
画面上では、それぞれ「メインカラー」「ハイライトカラー」「アウトラインカラー」という項目名となっています。
髪型のプリセットアイテムやカスタムアイテムを選択して、メインカラー・ハイライトカラーのカラー調整が行なえます。
アウトラインカラーは、髪型の編集画面で変更することが出来ます。
髪のマテリアルテクスチャのカラー調整でメインカラーに指定した色は、VRMエクスポートを行う際にモデルのテクスチャに描き込まれます。
ハイライトカラー・アウトラインカラーについては、他のアイテムのカラー調整とは違い、VRMエクスポート時にテクスチャへの色の描き込みは行われません。これらは各種VRM対応アプリケーションでモデルが描画される際、シェーダーによって指定の色が再現されます。
カラー調整ができないアイテム
以下のアイテムは、カラー調整機能を利用できません。
衣装
- すべての衣装アイテム
アイテムの色を変えたい場合は、テクスチャ編集画面でテクスチャを直接編集してください。
なお、シェーダーカラーの指定は可能です。
カラー調整を使わず、テクスチャの色をそのまま表示するには?
カラー調整は、色を選ぶだけでアイテムの印象を変えられる便利な機能ではありますが、テクスチャ画像の色とカラー反映後のアイテムの色味が異なるため、やや直観的でない操作と感じる方もいるかもしれません。
テクスチャの色をそのまま表示したい・編集したい場合には、編集するアイテムを選択後、「テクスチャを編集」ボタンの下にある「カラー変更可能アイテムとして編集」のチェックを外してから、テクスチャ編集を開始してください。
このときカラー調整機能で色が指定されていた場合には、その色が描き込まれたテクスチャで編集が開始されます。
シェーダーカラー(基本色・かげ色)とは?
各アイテムのテクスチャ編集画面に、カラー調整機能と見た目が似ている「シェーダーカラー」という項目があります。
これは、VRoid Studioベータ版で使われていた、基本色・かげ色を指定する機能です。
シェーダーカラーは、衣装を含む全アイテムで利用出来ます。
ベータ版で作成したモデルに基本色・かげ色を使用していた場合は、コンバートした際に、この項目に引き継がれます。
基本色・かげ色も、カラー調整機能と同様に「指定した色を反映する」機能ではありますが、色の反映の仕組みが異なっており、基本色で色を指定すると、全体がくすんだ色味になってしまいます。色の反映を行いたい場合は、カラー調整機能を利用することをおすすめします。
かげ色は、アイテムに付くかげの色を指定する機能です。
かげ色に指定した色は、VRMエクスポート時にテクスチャに描き込まれません。各種アプリケーションでVRMモデルが描画される際に、シェーダーによって指定の色が再現されます。
カラー調整可能アイテムを作成する(テクスチャを編集する)方法
カラー調整機能の仕組み
カラー調整機能は、「顔の各パーツ、アクセサリー」「まぶた、鼻、顔の肌、体の肌」「髪のマテリアル」で利用できます。
これらは色を適用する仕組みがそれぞれ異なりますが、対象のアイテムに対してきれいに色味が反映されるような効果を利用しています。
顔の各パーツ、アクセサリー:
テクスチャに対して、指定した色を「オーバーレイ」で合成して表示する
まぶた、鼻、顔の肌、体の肌:
テクスチャの明・中・暗部分に対して、指定した色を「グラデーションマップ」で着色する
髪のマテリアル:
- メインテクスチャに対して、指定した色を「オーバーレイ」で合成して表示する
- ハイライトテクスチャに対して、指定した色を「エミッション(※)」の色として適用する
- アウトラインに対して指定した色を「オーバーレイ」で合成して表示する
※エミッション:マテリアルに対して発光するような効果を与える設定
オーバーレイ効果を使うコツ
VRoid Studioのカラー調整では、グレースケールのテクスチャに対して、指定した色をオーバーレイで合成する方法を多用します。ここでは、カラー調整とグレースケールテクスチャを使ったアイテム作成のコツをつかめるよう、カラー調整で利用しているオーバーレイの仕組みについて解説します。
オーバーレイは、対象となる画像の明るさに応じてテクスチャ画像に色を反映する合成方法です。画像内で暗くなっているところには暗く、明るくなっているところには明るく、指定色が合成されます。
具体的には、テクスチャ画像で明度50%の灰色(#808080)になっている部分にはカラー調整機能の「カラー」で指定した色が反映され、それより暗い色・明るい色には、指定色をより暗く・または明るくした色が反映されます。
なお、白(#ffffff)と黒(#000000)に対しては色が合成されません。
この仕組みを活用すると、例えば真っ白な光と薄い光が同居する「瞳のハイライト」を作り、薄い光の部分にだけ色を付けることが可能です。