はじめに
VRoid SDKを使うと、開発者のみなさまが、様々な人が生み出した3Dモデルを呼び出し、利用できるアプリケーション開発が可能になります。
この「様々な人が生み出した3Dモデル」は「他者の創作物」であり、作者がいます。よって、その扱いには細心の注意を払う必要があります。3Dモデルの作者は、自分の作ったモデルに少なからず愛着を持っており、モデルに利用条件を設定しています。その利用条件を加味しない使い方ができてしまうと、作者に思わぬ不利益が生じ、利用可能な3Dモデルの提供を控えてしまう事につながるかもしれませんし、そうなることを我々は望みません。
これを避けるため、VRoid SDKを使ったアプリケーションを審査するという形を取っています。この審査を通過すると、VRoid Hub上に掲載されるのでアプリケーションの露出が増えますし、以下のような特殊なモデルが使用可能になります。
- 他人の利用OK(ダウンロードNG)な他人のモデル
- モデルが作れる一部のアプリから直接VRoid Hubにアップロードされたモデル
この審査をみなさまの作ったアプリケーションがスムーズに通過できるように、ガイドラインを制定しました。大まかには以下の5項目となりますので、留意して開発を行いましょう。
- アプリケーション全体の基本動作に問題がない
- VRoid Hubとの連携が問題なく行える
- モデルの利用条件が適切に表示できる
- アプリケーション設定ページ入力項目の確認と、実際の挙動をあわせる
- 禁止事項
1. アプリケーション全体の基本動作に問題がない
-
アプリケーションがまともに使える
バグやフリーズが頻発するアプリでは審査が通りません。 -
モデルをアプリケーションに合わせて意図通りに動かす事ができる
例えば動画配信アプリなら、自分の動きに合わせてモデルも動く、3Dアクションゲームならフィールドをしっかり歩く事ができる等、アプリケーションの内容に沿って、モデルをしっかりと操作できるようにしましょう。 - 【推奨】可能な限り、英語版のUIを提供する
VRoid Hubの利用者は70%が海外ユーザーです。
2. VRoid Hubとの連携が問題なく行える
- 連携方法をユーザーが理解できる、もしくは、自然に連携できる
- 連携後、VRoid Hubのモデルを呼び出せる
♡したキャラクターを呼び出す場合、「他の人の利用OK」のモデルのみが表示されている事を確認してください。 - 呼び出したモデルを使い、サービスが利用できる
3. モデルの利用条件を適切に表示する
-
他の人のVRoid Hubのモデルを呼び出す場合、以下のような利用条件を必ず表示する
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利用条件の表示内容は、VRoid Hubの表記と揃える
- 「モデルデータの利用条件」というタイトルを使用する
- VRMのメタデータではなく、VRoid Hubの利用条件のみを表示する
- 各項目の名前の表記は、VRoid Hubの利用条件と同じ表記にする
- 各項目の値の表記は、VRoid Hubの利用条件と同じ表記にする
- APIの戻り値をそのまま表示する事は避ける
-
自分のモデルを呼び出した場合、利用条件は表示しない
自分がHubに投稿したモデルを自分で使用する分には、利用条件の確認は必要ありません。利用条件が出てしまうと、ユーザーに余計な操作を強いることになります。避けてください。
4. アプリケーション設定ページ入力項目の確認と、実際の挙動をあわせる
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入力項目が正しく入力できているか確認する
- 入力項目に不明点がある方は、アプリケーション設定のヘルプを参照してください。
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アプリケーション設定で入力したモデルの使用情報と、実際のアプリケーションのモデルの挙動の齟齬をなくす
OKな例
- 「アバターとして利用する」が「いいえ」となっていて、あくまでNPC(ノンプレイヤーキャラクター)としてそのモデルを扱う、または背景の一部として使用している
- 「モデルを再配布する」が「はい」になっていて、再配布がOKのモデルのみが呼び出され、再配布が行える
NGな例
- 「モデルのクレジット表示が可能」が「はい」となっているが、アプリ内でモデルのクレジットを表示できる機能がない
- 「アバターとして利用する」が「いいえ」となっているが、ソーシャルVRのアバター操作や、VTuber配信が可能になっている
- 「モデルを利用して暴力表現をする」が「いいえ」となっているが、格闘ゲームの操作キャラクターとしてモデルを利用している
- 「アプリの種類」が「個人向けアプリ」かつ、「商用利用」が「営利目的の商用利用(ギフティングなど)がある」となっているが、ギフティングの機能が無い
- 【推奨】アプリケーションの名前や、アイコン、アイキャッチ画像or動画をいれる
- ユーザーの目に触れることを想定し、実際のプロダクトと同等のものを入れましょう。
- アイキャッチ画像を作るのが厳しければ、アプリケーションを操作しているところを撮影してYouTubeにアップロードしたものを貼り付けておくだけで、見た人の印象はまるで変わります。
5. 禁止事項
- リバースエンジニアリング
- バイナリを改造するなど、弊社が意図しない方法で利用しない
- 弊社の許可なく、サーバー上でWeb API/SDKを動作させるようなアプリケーションを提供しない
- 申請手続きが完了していない人へSDKを二次配布
- SDKのバイナリファイルや配布用URLを他社や友人へ許可なく渡さない
- 他人が利用することを意図してアプリケーション追加を行わない
- GitHubのリポジトリに入れて公開してしまった等、意図しない配布に十分注意する
- SDK経由で取得した3Dモデルデータの保存
- 3Dモデルデータをサーバに送信したり、エンドユーザーに提供しない
- 暗号化の有無に関わらず3Dモデルデータを保存する機能を独自に作らない
- 体験の向上のためにキャッシュしたい場合は、SDKが提供している機能を利用すること
- VRoid Hubガイドライン「5. 登録禁止作品」の「1〜11」に当たる内容を含む
- 他社の権利を侵害する内容を含む